永住者になる方法(技術・人文知識・国際業務から永住ビザ)

永住者になる方法(技術・人文知識・国際業務から永住ビザ)

今日のおはなし

技術・人文知識・国際業務(技人国)からの永住申請

日本で就労している外国人のなかで最も多い在留資格として「技術・人文知識・国際業務」があります。主に、機械工学等の技術者や通訳、デザイナー、民間企業の語学教師、マーケティング業務従事者などとして働いている方が当てはまります。

技術・人文知識・国際業務の在留資格を得る為には、大学等での専攻科目との強い関連性もしくはその分野に関わる長期の実務経験が必要になっており、一定以上の専門性が求められます。そのため、いわゆる間接部門で働く方向けの資格であり、現場就労は認められていません。

一般的な在留資格であるものの、名称が長いので、よく「技人国」という略称で呼ばれています。

公式の定義としては「本邦公私の機関との契約に基づいて行う理学、工学、その他自然科学、法律学、経済学、社会学、その他人文科学の技術・知識を要する業務や外国文化に基盤を有する思考・感受性を要する業務」とあり、一見複雑ですが、その他の就労系資格である教授、芸術、報道、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、企業内転勤、介護、興行などに当てはまらない就労活動については「技術・人文知識・国際業務」として幅広くまとめられています。

今回は、この「技術・人文知識・国際業務」ビザから永住者となるための要件などについて、詳しくお話します。

技術・人文知識・国際業務(技人国)から永住ビザを取得する要件

素行善良要件

技術・人文知識・国際業務(技人国)には次の素行善良要件が求められます。

  • 日本や外国の法令に違反して懲役・禁固・罰金などの刑に処せられていないこと
  • 生活する上で迷惑行為などを繰り返し行っていないこと

ひとつひとつ詳しく見ていきましょう。

素行善良要件
素行要件
日本や外国の法令に違反して懲役・禁固・罰金などの刑に処せられていないこと

日本の法令に違反しないことはもちろん、「外国の法令(原文:日本以外の国の法令)」とある通り、本国や渡航先国における犯罪歴についても審査上、確認されています。懲役、禁錮等については刑の執行(または執行猶予期間)から10年、罰金刑等の比較的軽微な罪であれば5年、それぞれ経過したときには素行善良要件を満たすと判断される可能性もあります。

素行要件
生活する上で迷惑行為などを繰り返し行っていないこと

素行善良要件には「日常生活や社会生活において、風紀を乱すような行為を繰り返し行っていないこと」も含まれています。懲役・禁固・罰金・拘留・科料に該当しない軽微な違反繰り返しおこなっている場合には、素行善良要件を満たしているとは言えないとして不許可の可能性が高くなります。具体的には信号無視や駐停車違反など交通違反での反則金や街宣活動で注意を何度も受けている場合や、自転車の運転でも違反行為として同様のケースで処分を受けると、永住審査に影響があります。普段の生活にも注意しましょう。

内容にもよりますが、過去5年間で5回以上軽微な違反を行っていると素行善良とは言えず、要件を満たさなくなる可能性があります。また、飲酒運転や無免許運転などは軽微な違反とは言えず、1回でも素行善良要件を満たしていないと判断されます。

ご自身の違反記録は運転記録証明書(運転経歴に係る証明書)で確認できます。各都道府県の自動車安全運転センター事務所か警察署、交番、駐在所などで請求書を取得し、自動車安全運転センターで直接発行手続きをするか、手数料を添えて最寄りのゆうちょ銀行・郵便局から申し込むことで、後日郵送にて証明書が届きます。

証明書の交付手数料は1通670円です。ゆうちょ銀行、郵便局から申し込む場合は、振込手数料が別途必要となります。

過去に犯罪行為があったからといって、すぐに永住を諦めなければいけないわけではなく、
犯罪行為の内容が重要であり、その結果次第でも取り扱いは大きく異なります。

もちろん、違反や犯罪行為は永住審査に不利に働きますが、刑を受けた場合でも、その後一定期間を経過すれば素行善良要件をクリアできる可能性もあります。また、内容や理由、処分の結果などにもよりますが理由書によりカバーできる可能性もあります。

万が一上記に当てはまっている場合には、永住申請が行えるようになるまで素行善良に過ごし、永住申請の際には深い反省と二度と違法行為をしない誓約に加え、再犯防止に向けた具体策と日本にいる必要性を伝えましょう。

独立生計要件

永住許可の要件のひとつとして「独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること」というものがあります。
過去から現在、また将来にわたって、自活能力があるかという点を審査されます。

具体的には、

  • 生活保護などを受けていないこと
  • 安定した収入があり、自立した生活が見込まれること

が挙げられます。

生活保護を受けている方は「日常生活において公共の負担になっている」と判断されますので、永住申請するのであれば、生活保護の受給をストップする必要があります。

「安定した収入」とは、明確な基準は公表されていませんが、原則は直近5年間の年収が継続して300万円以上あることが許可・不許可を分けるひとつのラインだと言われています。また貯金額はもちろ多ければプラスの要素にはなりますが、「自立した生活が見込まれること」とある通り、永住の審査においては現在の貯金額よりも収入面が重要視されています。

ただし、現在の資産の状況が全く関係ないのかというとそうではありません。例えば、母国で不動産を所有していて、日本での収入に加えて賃貸収入がある場合などには、補強材料として審査官に説明をした方が許可の可能性は高まります。この場合、日本での納税義務が発生する場合には国益要件(公的義務の適性履行)を満たしていないとならないよう納税については十分に確認しましょう。

この300万円というのは扶養関係が一切ない場合(単身等)の最低ラインの目安であり、ご家族などを扶養している場合には1人あたり約80万円~100万円ほど、この「年収300万円」のラインに上乗せして考える必要がありますので注意しましょう。

扶養人数に応じた年収額の目安
扶養関係にない場合(例:単身など)

年収額(目安):年収300万円

扶養家族1人の場合(例:申請者が家族滞在の配偶者を扶養している場合)

年収額(目安):年収380万円(300万円+80万円×1人)

扶養家族2人の場合(例:申請者が家族滞在の配偶者と子を扶養している場合)

年収額(目安):年収460万円(300万円+80万円×2人)

扶養家族3人の場合(例:申請者+配偶者+子+子など)

年収額(目安):年収540万円(300万円+80万円×3人)

国益要件①(原則、引き続き10年以上日本に住んでいること)

国益要件の1つ目として、「原則として、引き続き10年以上日本に在留していること」が求められます。
これは、永住許可要件のなかの、「居住要件」と呼ばれるものです。

「引き続き」ってどういう意味??

在留資格が途切れることなく、日本に継続して10年在留している状態を意味しています。1回3か月以上の長期出国や年間計100日以上の細かい出国などがあると「引き続き」と認められなくなる可能性があるので、注意が必要です。

また、この居住要件には、「原則」とあるように、特例的に居住歴が10年に満たなくても、永住申請が許可されることがあります。

国益要件②(10年以上の期間のうち、就労資格か居住資格で引き続き5年以上在留していること)

原則10年間の居住要件があることをお話しましたが、この期間のうち、少なくとも直近5年は就労系のビザまたは居住系の在留資格資格(身分系のビザ)で継続して日本に在留している必要があります。

この就労系の在留資格(ビザ)というのは、在留資格一覧表の「一の表」と「二の表」に書かれている在留資格のことを言い、
今回の「技術・人文知識・国際業務」ビザは就労系在留資格の代表と言えます。

転職している場合、就労期間の数え方はどうなるの?

転職している場合、前職と現職の会社での就労経験は合算できます。ただし、在留資格に見合った活動を継続している必要があります。

例えば、前職で3年勤めてから退職し、転職活動で1年近く無職となり、その後、現在の会社に就職して2年間勤務している場合、在留資格に合った活動を「継続している」とは言えませんので、要件を満たしていないことになります。

このように在留活動に見合った活動がいったん途切れてしまった場合には、新しい会社で満5年勤務を継続することで、新たに直近5年以上就労という要件を満たす必要があります。

注意点として、アルバイトやパートとして働いていた期間は就労期間に含めることはできません。

例えば、日本語学校に通うために留学ビザで日本に入国し、さらにその後、大学や大学院に通うために留学ビザを何度か更新し、卒業後に就職して技人国ビザで働いているケースがあります。この場合、留学ビザとして6~7年ほど日本にいたことになりますが、留学ビザは本来就労をするためのビザではありませんので、この間に資格外活動許可をとってアルバイトをしていたとしても、就労ビザでの就労期間と合算して「5年以上就労している」とすることはできません。

また、「技能実習」と「特定技能1号」で働いた期間も「就労5年」の期間に含めることは認められていませんので注意しましょう。

ただし、非就労ビザでの資格外活動許可を取って働いていた期間や技能実習や特定技能として働いていた期間は、居住要件の「引き続き10年以上日本に住んでいること」という部分には含めることができます。

ご自身が初めて来日してからどのようなビザを辿って本日まで至ったか、永住申請前に一度整理しておくとよいでしょう。

国益要件③(罰金刑や懲役刑などを受けていないこと)

素行要件にも共通する部分ですが、来日から現在までの間に罰金や懲役刑を受けていると、国益要件の観点からも永住申請に不利に働きます。万が一、刑罰法規に触れる行為を行った場合にはその犯罪の内容や処分についてが重要です。

スピード違反、飲酒運転、無免許運転など罰金刑以上となり得る交通違反も含まれますので、十分に気を付けましょう。

国益要件④(公的義務を適正に履行していること)

「公的義務」とは次の項目のことを指します。

  • 住民税・国税等の納税義務
  • 公的年金・公的医療保険の保険料の納付義務
  • 入管法上の届出義務

まず、住民税等の税金の納税と、年金と健康保険料の納付に関しては、すべて期限内に、支払っている必要があります。
サラリーマンなど社会保険に加入し、給料から税金等がすべて天引きされている方は問題ないと思いますが、コンビニ払いをしている方や転職・求職などで国民健康保険に切り替えたことがある方は支払漏れが不許可につながりますので、注意しましょう。

また、同世帯のご家族が滞納している場合でも、永住申請は高い確率で不許可となります。

在留資格住民税の課税・納税証明年金・健康保険
原則5年2年
技人国5年2年
永住申請の提出書類として納税・納付を証する期間

「技人国」ビザから永住申請を行う場合、証明資料として提出するのは税金等が直近5年分年金等は直近2年分となり、原則通りになります。

提出する期間はあくまで自己申告として証明する期間であり、実際には5年以上前の滞納分が原因で不許可となる事例もありますので、滞納や支払漏れは不許可リスクが残ると考えた方がよいでしょう。

現時点で滞納や支払い遅れがある場合には、すぐに永住申請をすることはおすすめしません。遡って払える分は全て払い、納期限を守って支払っている実績(公的義務を適正に履行している実績)を積み上げてから申請に臨みましょう。

「入管法上の届出義務」とは、例えば、以下のような項目を指します。

  1. 住居変更の届出(引越しをした場合など各市区町村への手続き)
  2. 所属機関等に関する届出(転職や事業所変更など、活動場所や契約機関に関する情報が変更になった場合)
  3. 前配偶者と離婚した時の届出
  4. 前配偶者と死別した時の届出

国益要件⑤(現在持っている在留資格の在留期間が3年以上であること)

「現に有している在留資格について,出入国管理及び難民認定法施行規則別表第2に規定されている最長の在留期間をもって在留していること」とありますが、当面の間は所持している在留カードの在留期間が3年以上であれば、要件を満たしているとみなされます。

国益要件⑥(公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと)

最後の国益要件です。具体的には、感染症予防法で定める一類感染症(エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱など)、二類感染症(ポリオ、結核など)、指定感染症、新感染症にかかっている患者の方や、麻薬、大麻、あへん、覚醒剤などの薬物中毒者でないことなどが求められています。

その他、異臭・騒音騒ぎを繰り返し行い地域住民から苦情がある場合や、ゴミ屋敷状態で役所の対応が必要になるなども、自治体や住民にとって有益とは言えません。国益要件として永住申請にネガティブな影響を与えないよう、社会生活と日常生活の両面で注意して過ごしましょう。

身元保証人

技人国の場合でも、永住申請をする場合に身元保証人を用意する必要があります。

身元保証人は、日本人もしくは永住者特別永住者の方がなることができます。
加えて、身分保証人としてふさわしい人物かどうかは、以下の2つの基準をもとに考える必要があります。

  • 安定的な収入があること
  • 納税義務を果たしていること

まず、身元保証人は法的な責任は問われませんが、必要に応じて経済的な保証と法令順守の指導を約束することになりますので、安定的な収入があることが求められます。年収について目安となる明確な金額は設定されていないので、身元保証人の収入が低くても生活できていれば問題ないという意見もありますが、無職だったり、あまりにも年収が低い場合には、身元保証人としてふさわしくないという判断をされ、永住申請に影響があることも考えられます。そのため、身元保証人についても、年収300万円をひとつの目安として選ぶことをおすすめします。また、身元保証人としては、収入額よりも定期的な収入があることの方が重要となりますので、その点もあわせて検討しましょう。

身元保証人についてさらに重要な点は、身元保証人が納税義務を果たしていることです。年金や国民健康保険料については永住申請者ほど厳しくみられないというのが今日までの見方ですが、少なくとも「住民税」の滞納は身元保証人についても永住申請に不利に働きますので、その点は確認してから依頼する必要があります。

技人国などの就労ビザの場合には、一般的に勤務先の上司や同僚、親族や友人、学生時代の恩師などに身元保証人をお願いするのがよくある例です。

技術・人文知識・国際業務(技人国)⇒永住ビザの注意点

注意点1:転職に注意

転職して大幅に給料や地位が上がる「キャリアアップ転職」であれば永住審査にネガティブな影響を与えませんが、転職することで審査官に「安定性に欠ける」とネガティブな印象を与えてしまったり、次の事例のように独立生計要件や国益要件を満たせなくなる恐れがあります。

転職によって安定性に欠けると判断されてしまったパターン

Aさんは、職を何度も変えていたため、ひとつひとつの就業先での勤続年数が短いことが、審査官にネガティブな印象を与えてしまい、不許可となりました。

転職自体は悪いことではないですが、安定性に欠けると判断されやすくなります。独立生計要件(独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること)には「安定した生活が見込まれること」という要件がありますので、最低でも現在の職への転職後は、1年勤続してから永住申請をすることをお勧めします。また、転職先の業務でも在留資格の該当性を満たしていることを示すため、転職後には必ず「就労資格証明書交付申請」を行い、永住申請に向けて正しく実績を積み上げていくことが大切です。

転職で年収が少なくなってしまったパターン

Bさんは、転職をするために休職や無職だった期間があり、その年の年収が下がってしまい生計要件を満たせませんでした。

年収・所得については原則直近5年間が見られますので、転職した年の年収が目安額となる300万円を大幅に割ってしまうと、結果永住申請を数年間先延ばしせざるを得ない状況となります。東京都など平均賃金が高い地域から平均賃金が比較的低めの地方勤務者となった場合でも、独立生計要件の年収最低ラインは変わりませんので注意しましょう。

転職による税金などの支払漏れパターン

Cさんは転職期間中、うっかり国民年金の支払期限を過ぎてしまい、国益要件を満たせない状態となってしまいました。

転職をすると、前の会社を退職してから転職先の就業日まで空白期間が生まれることがありますが、この期間は社会保険から国民年金・国民健康保険に切り替えて保険料を支払うことになります。また住民税なども、いままで給料から天引きされていた場合などは、退職後にご自身で払うことになります。この税金や保険料等の支払いは公的義務として定められていますので、納めることは当然として「適正に履行」されていることが永住許可の条件となります。

そのため、期限を過ぎてしまうと永住審査上不利になりますので十分に注意が必要です。

転職で就労期間要件が足りないパターン

Dさんは10年間日本に居住し、その内半分は就労ビザをもって在留しました。ただ、その5年のうち途中で2度転職し、転職先で就労が始まるまで働いていない期間がそれぞれ約3ヶ月程度あったため、就労期間要件を満たすのが遅れてしまいました。

居住要件には、来日後10年以上引き続き日本に住み、その内5年以上就労系ビザで就労する必要があります。転職による空白期間は、この就労期間要件である「5年」に含めることはできません。そのため、転職をしていない場合と比べると永住許可要件を満たすのが遅れてしまいます。

また、このような転職期間が長期にわたる場合には「引き続き」の就労期間とはみなされず、改めて5年の就労期間が必要になる可能性もあるので注意が必要です。

このように転職にはネガティブな判断をされてしまう可能性が高いため、弊所としては「転職後に1年以上勤続してから永住申請をする」か「永住申請の結果が出るまで転職はしない」のどちらかをおすすめしています。

注意点2:出国日数に注意

技人国に代表される就労系在留資格からの永住申請では「原則として、引き続き10年以上日本に在留していること」が求められます。

「引き続き」とあるように、日本に継続して在留していると認められることが必要です。たとえば、海外旅行などで数日程度日本を離れるのは問題ありませんが、長期の海外出張があったり、本国へ出産のために帰省した場合などには、居住歴がリセットされてしまう可能性があります。以下に該当すると、引き続き日本に在留しているとは認められずに、居住年数がリセットされてしまう可能性があります。

  • 再入国許可の期限を過ぎて海外に滞在してしまったことがある
  • 更新申請で不許可となり、出国準備(30日)となってしまった
  • いままでに1回の出国で90日以上日本を離れた
  • 年間出国日数が合計で100日以上となった

ただし、永住申請は帰化申請より厳格ではなく、リセットでもまた再び居住要件を1から満たさないといけないというわけではありません。例えば、100日以上の出国が10年間のうち1年のみであれば、11年目の出国を少なく日本で過ごすことで、次の年に永住許可が認められる可能性は大いにあります。

また、1年での出国が100日~120日程度であれば、出国の合理的な理由を説明することでカバーすることは可能です。その他、日本における所有不動産の有無や子供が日本の学校に通っているなど日本との強い結びつきがあれば、永住申請の際には書き加えておくべきです。日本に生活の基盤があること、日本にただ住みたいという願いも大事ですが、「これからも日本に住む必要がある」という明確な理由があり、その信憑性が認められれば、出国が多少長くなってしまった場合でも、許可される可能性はあります。

近年は、コロナウイルス感染症などの事情で日本に帰って来られなかった場合など、一概にその期間がリセットされるとは言えませんので、申請の際には、審査官への説明を理由書等で明確に伝えるようにしましょう。

注意点3:扶養者人数に注意

永住申請でよく問題となるのが、扶養関係です。扶養人数は適正に保つ必要があります。技人国ビザをもって在留する方のなかには、ご家族を扶養して生活しているケースも多いと思いますが、その場合は、扶養関係や扶養人数が適切かどうかという部分も、永住許可に大きく影響します。

事例として多いのが、扶養する側が母国の親族や兄弟親族まで扶養に入れているケースです。適切でない扶養関係や扶養人数が多すぎる場合には過度な税金対策を入管審査官に疑われ、説明を求められたり、不適切としてそのまま不許可となることが少なくありません。過度な税金対策は地方自治体の財政を圧迫することになりますので、国益要件を満たしていないと判断され、永住審査が不利になる可能性があるのです。

永住申請前に扶養について考えなければいけないことは「本当に必要な扶養なのか?」ということです。また、「どのように扶養しているのか?」ということも客観的に証明する必要があります。

本来扶養に入れるべきではない人を扶養に入れている場合は、まず対象の人を扶養から外し、遡って修正申告をし、正しい税金を納め直す必要があります。本当に必要な扶養であれば、定期的な送金を行い、客観的な証明方法のひとつとして送金記録を残しておきましょう。扶養人数は永住申請の際にとても重要なポイントとなるため、永住申請前に見直しを行くことをおすすめします。

注意点4:ご家族の違反に注意

技人国のビザをお持ちの方は、配偶者や子が「家族滞在」ビザで日本に住んでいる場合が少なくありませんが、永住申請を検討するのであれば、家族の違反などにも注意が必要です。

家族滞在では、資格外活動許可を得れば週に28時間まで働くことができますが、週28時間の制限を超えて働いている場合は、オーバーワークとして素行善良要件を満たせなくなります。家族滞在は扶養者に紐づくビザですから、「本体者」である技人国ビザの所有者も一心同体として扱われ、監督不行届として永住審査にネガティブな影響を与えてしまいます。

家族滞在ビザの家族がオーバーワークしていることが発覚!どうすれば良い??

永住審査は慎重に行われるため、そのまま申請すると審査段階で高確率でオーバーワークが発覚し、最悪の場合日本に居られなくなってしまいます。まずは家族滞在の方にいますぐに仕事をやめてもらうか、勤務時間を28時間以内に戻してもらい、最低3年は素行善良で生活している実績を積んでから永住申請を検討しましょう。

また、3年後の永住申請の際には理由書にて違反してしまったことについて説明と反省を伝えることが必要です。

技人国ビザ⇒永住ビザの必要書類

最後に、技人国ビザから永住申請する際の、受付に必要な最低限の書類を見てみましょう。
各項目をクリックすると、必要書類の詳細や申請に関する注意事項もご覧いただけます。

まとめ

今日のおはなし