日本人の配偶者等から永住者になる方法とは?

日本人の配偶者等から永住者になる方法とは?

今日のおはなし

配偶者ビザから永住権を取るメリット

永住者となるにはいろいろな許可要件を満たす必要がありますが、日本人の配偶者などは永住許可の要件が緩和されています。そのため、「配偶者ビザから永住申請をしたい」という方や「就労ビザだけど、日本人の配偶者としてなら永住許可要件を満たしている」という方から、永住権を取りたいというご相談は非常に多いです。

今日はそんな悩みを解消するため、「日本人の配偶者等から永住者になる方法」について、詳しくお話していきます。

ご存知の方も多いと思いますが、配偶者ビザと呼ばれる「日本人の配偶者等」などのビザを取得している方は、一般の外国人よりも永住許可取得の要件が緩和されています。これは、日本人と結婚生活を送っているのだから、日本に生活基盤があるのは明らかなので、安定して日本に住める状態をつくってあげるべきという考え方に基づいています。

とはいっても、この緩和要件のために配偶者ビザから永住ビザ取得のルートがいままで悪用されてきたのも事実で、永住審査は結婚生活の実態調査やその他の要件についての慎重な審査が行われており、実際に偽装結婚や結婚生活の実態が認められないとして、永住不許可となっているケースも少なくありません。

要件が緩和されても永住権取得はなお厳しいものですが、その分取得すると大きなメリットもあります。
まずは、配偶者ビザから永住権を取得するメリットを紹介していきます。

長所
在留期間が無期限になる!

永住ビザを取得すると、在留期間が「無期限」となるため、日本にずっと安定して住むことができるようになります。永住者と高度専門職2号以外の在留資格では、「最長でも5年」と在留期間が定められているため、在留期限前に在留期間更新許可申請をして許可をもらう必要があります。日本を活動の拠点としている外国人にとって、在留期限のたびに書類収集や作成など、申請の準備をしなければならず、ストレスに感じることも多いと思います。この点永住権を取ってしまえば、在留期間の更新申請のストレスや不安から解放されることになるので、外国人の方にとって大きなメリットと言えます。

永住者となった後も、有効な在留カードを所持・更新し続ける必要がありますが、永住者の在留カード更新は通常の更新申請とは異なり、あくまでも形式的なものです。永住の在留カードは7年の有効期間が定められていますが、在留カードの有効期間を経過してしまっても、永住権そのものが消滅してしまうわけではなく、新しい在留カードを発行してもらうことができます。

長所
在留活動に制限がなくなる!

永住ビザを取得すると、その他の在留資格で定められているような活動の制限がなくなり、公的機関(政府や警察署)への就労以外であれば、学歴に関連性のない職種の仕事に就いたり、自由に転職したり、会社経営をしたり、アルバイトをしたりと自由に活動できるようになります。

配偶者ビザの場合も就労制限はないですが、配偶者にぶらさがりの資格となるため、その配偶者と離婚や死別してしまった際には日本で居住できる根拠を失うことになり、在留資格を維持するために再婚するか、他の在留資格に変更するなど対応が必要となります。いずれの在留資格要件も満たせない場合には帰国を余儀なくされてしまいます。

一方、永住を取得すれば離婚しても永住が取り消されることもありません。永住資格を取得すると、日本における活動の自由度が格段に高くなりますので、今後のライフプランの選択肢も大幅に広がることになります。

長所
日本での社会的信用が高くなる

永住権をもつということは、日本で長期間にわたって素行善良に過ごし、生計要件を満たし、我が国の国益に適合すると認められた証拠になりますので、社会的信用度が格段に上がります。在留期限のある在留資格の場合、不許可になったら帰国してしまう恐れが常にあるため、住宅ローンを組んだり、融資を受けたりするのは容易ではありません。これは日本人の夫や妻であっても同様で、銀行によっては口座をつくることも自由に行えないことがあります。

永住権をもつということは、日本で長期間にわたって素行善良に過ごし、生計要件を満たし、我が国の国益に適合すると認められた証拠になりますので、社会的信用度が格段に上がります。

在留期限のある在留資格の場合、不許可になったら帰国してしまう恐れが常にあるため、住宅ローンを組んだり、融資を受けたりするのは容易ではありません。その点、永住者は社会的信用が高いので、日本人と同じようにローンを組んだり、融資を受けたりすることも認められやすくなります。

長所
母国へ今まで通り帰国できる

永住は帰化と異なり「母国への国籍を維持しながら、日本での活動を無期限で続けられる資格」なので、取得しても国籍が変わるわけではありません。そのため、パスポートもいままでどおりのものを持ち続けることになり、母国への帰国は問題なく行うことができます。

長所
在留特別許可の可能性が高い!

不法残留などをしてしまった場合に母国に帰らなければいけないのは、どの在留資格(ビザ)を持っていても一緒ですが、家族状況、生活状況、素行、内外情勢など、法務大臣による総合的な判断で在留特別許可が認められる場合があります。特に多いのは、日本人の配偶者等や永住者の配偶者等として日本に在留していた場合で、まだ小さなお子さんがいたり、妊娠している場合などに法務大臣の人道的な配慮により認められるケースですが、あくまでもイレギュラーな対応なので、在留特別許可が認められずに帰国するケースの方が多いです。

永住でもあくまで国籍は変わらないため、万が一退去強制事由に該当してしまった時は母国へ強制的に帰ることになるという可能性があるのは同様ですが、それでも永住権を取得していると法務大臣の裁量により在留特別許可が得て引き続き日本で暮らせる可能性が他のビザよりも高くなります。

このことは、出入国管理及び難民認定法50条1項1号の「法務大臣の裁決の特例」として明記されています。

法務大臣は(中略)当該容疑者が次の各号のいずれかに該当するときは、その者の在留を特別に許可することができる。

1.永住許可を受けているとき。
2.かつて日本国民として本邦に本籍を有したことがあるとき。
3.人身取引等により他人の支配下に置かれて本邦に在留するものであるとき。
4.その他法務大臣が特別に在留を許可すべき事情があると認めるとき。

出入国管理及び難民認定法50条(法務大臣の裁決の特例)1項1号

細かい点も含めると、その他にもさまざまなメリットが考えられます。
法務省公式の比較表をもとに、永住者と配偶者ビザの比較を表にまとめてみました。

永住者配偶者ビザ
活動制限制限なし制限なし
(但し身分・地位を有する者としての活動を逸脱できない)
在留期間制限なし制限あり(最長でも5年)
再入国再入国許可期間最長5年
(海外延長1年)
みなし再入国許可1年
・再入国許可期間最長5年(但し在留期間満了日迄)海外延長1年
・みなし再入国許可1
年(但し在留期間満了日迄)
在留カードの有効期限交付の日から7年間
16歳未満の者は16歳の誕生日迄
在留期間満了日まで
16歳未満の者は在留期間の満了日or16歳の誕生日いずれか早い日迄
配偶者と離婚・死別した場合の在留資
格の取消
なし6月以上実態がないと判断された場合、取消あり
(離婚・死別後14日以内に届出が必要)
配偶者ビザと永住ビザの比較

配偶者ビザからの永住申請は簡単?居住要件の緩和とは

居住要件とは、永住許可要件の重要な要件のひとつです。永住権を取るためには、原則10年以上日本に居住している必要があり、さらにこの10年のうち5年間は就労系の在留資格(ビザ)をもって働いている必要があります。

この永住許可の居住要件が「日本人の配偶者等」ビザをお持ちの方は大幅に緩和されています。
「日本人の配偶者等」として居住要件緩和の対象となるのは以下のような方です。

緩和対象
日本人の配偶者

いま現在日本人と婚姻している外国籍の方を指します。社会的(法的)に婚姻状態であることと、実態として婚姻状態があることの両面が見られますので、次のような方は永住許可要件の緩和対象者とはならないので、注意が必要です。

  • 過去に日本人と結婚してたけど、現在はすでに離婚している人
  • 過去に日本人と結婚してたけど、現在はすでに死別している人
  • 婚姻破綻状態が続いていて結婚生活の実態がない人
  • 日本人と婚約しているが、まだ結婚届を出していない人
  • 事実上は一緒に暮らしているが、法的に夫婦関係にない内縁の妻や夫

※別居している場合は婚姻生活の実態がないと判断される可能性が高いので、やむを得ず単身赴任している場合などは合理的な説明と審査官に納得してもらうための疎明資料の提出が必要です。

緩和対象
日本人の実子

ここでいう「日本人の実子」というのは、「日本人の子として出生した方」を指します。

  • 嫡出子
  • 父親に認知された非嫡出子

また、日本人の親が他の国に帰化などをして日本国籍を離脱してしまった場合でも、生まれた時に父・母のどちらかが日本国籍を持っていれば、子は緩和要件の対象として認められます。永住申請の際には、その経緯を証明する公的書類を提出し、理由書などで日本人の実子である旨を審査官に説明しましょう。

緩和対象
日本人の特別養子

永住許可に関するガイドラインには日本人の「実子等」と書かれていますが、実子以外に日本人の特別養子である場合にも、要件緩和の対象者となります。

  • 特別養子
  • 普通養子

特別養子は家庭裁判所に認められることにより成立する6歳未満の養子で、実父母との親族関係は切り離されることが特徴です。日本人と配偶者ビザを持つ者の間に特別養子となっている子については、この永住申請の要件緩和の対象者として扱われます。養子関係でも、普通養子の場合には要件緩和が認められていませんので、通常の永住許可要件を満たしてから永住申請をしましょう。

緩和対象
日本人の配偶者だけど、配偶者ビザ以外で日本に在留中の方

日本人と結婚してから3年以上経ち、日本に引き続き1年以上住んでいる方は、「日本人の配偶者等」以外の在留資格で滞在していても、配偶者ビザへの変更を経ることなく、緩和された要件で永住申請ができます。

通常、就労ビザなどの場合には10年以上日本に住まないと永住申請の要件を満たすことができませんが、日本人と結婚していても、日本人の配偶者等のビザではなく、企業で「技術・人文知識・国際業務」の在留資格をもって働いている方も大勢います。このような場合は、もし「配偶者ビザだった場合には緩和された要件を満たしていた」と仮定することで、就労ビザから直接緩和された要件で永住申請することができます。

この場合、審査官に「現在は就労ビザだが、配偶者ビザとしての要件を満たしている旨」を理由書にてしっかり伝える必要がありますので、理由書の構成は重要です。

以上のいずれかに当てはまる配偶者は、実態のある結婚生活が3年以上継続していれば、引き続き1年以上日本に在留していることで、永住許可の居住要件を満たすことになっています。

よく相談があるパターン
パターン

海外で日本人と3年間結婚生活を送り、その後日本で一緒に住み始めた

婚姻生活3年の条件を満たしていますが、日本居住1年の要件を満たしていませんので、
日本人の配偶者としてあと1年以上日本で実態のある結婚生活を送れば、永住申請可能です。

パターン

日本で出会った日本人と結婚してそのまま日本に住み、3年以上経った

婚姻生活3年(日本居住1年以上)の要件を満たしているので、永住申請可能です。

パターン

海外で日本人と結婚して2年経ち、その後一緒に来日して1年以上日本で結婚生活を送っている

婚姻生活3年(海外で2年&日本で1年の結婚生活)+日本居住1年の要件を満たしているので、永住申請可能です。

また、「日本人の実子」や「日本人の特別養子」の場合は、引き続き1年以上日本に在留していれば、それだけで永住申請をするための居住要件を満たします。

特別養子ではなく普通養子の場合は、永住権取得の原則に戻って10年以上日本に在留していることが要件となります。

原則&特例日本居住要件
原則10年以上
日本人の配偶者1年以上(+3年以上の婚姻生活)
日本人の実子1年以上
日本人の特別養子1年以上
日本人の普通養子10年以上
永住申請で必要な日本での居住期間

日本人の配偶者等から永住ビザを取得する要件

年収要件

永住許可のガイドライン上「日本人の配偶者等」である場合には素行善良要件と独立生計要件は免除されており、国益適合要件を満たしていれば良いことになっていますが、これは建前上の話です。

実際には、素行が善良でなかったり、十分な収入がなかったりすると不許可になるリスクは高くなります。これは、素行善良要件や生計要件が建前上免除されていても、「素行が善良でなければ国益に適合しないよね」、「生計が安定してなければ、いずれ税金を納めなくなって国は地方自治体の財政を圧迫する可能性があるから、国益適合要件を満たさないよね」という三位一体的な考え方をもとに審査されるからです。

3要件のイメージ図(お互いに重なり合っている部分がある…)

そのため、実務上は年収要件という言い方で、他の在留資格から永住申請をする時と同じように考える必要があります。

また、日本人の配偶者ビザの場合には、申請人の配偶者である日本人の状況も厳しく見られます。
特に、日本人が申請外国人を扶養している場合や申請人が専業主婦(主夫)として就労していない場合には「配偶者である日本人の年収が安定しているか」が重要です。

「安定した収入」とは、年収が継続して300万円以上あることが許可・不許可を分けるひとつのラインだと言われています。また貯金額はもちろ多ければプラスの要素にはなりますが、「自立した生活が見込まれること」とある通り、永住の審査においては現在の貯金額よりも収入面が重要視されています。

この300万円というのは「日本人が申請外国人を扶養していない場合」の最低ラインの目安であり、扶養している場合やお子さんがいる場合には、1人あたり約80万円~100万円ほど、この「年収300万円」のラインに上乗せして考える必要がありますので注意しましょう。

扶養関係にない場合(例:夫+妻、互いに扶養せず共働き)

年収要件(目安額):年収300万円(世帯年収として合算OK)

日本人が1人扶養している場合(例:夫+妻、専業主婦(主夫)か扶養範囲内での就労)

年収要件(目安額):年収380万円(300万円+80万円×1人)

日本人が2人扶養している場合(例:夫+妻+子)

年収要件(目安額):年収460万円(300万円+80万円×2人)

日本人が3人扶養している場合(例:夫+妻+子+子)

年収要件(目安額):年収540万円(300万円+80万円×3人)

よく相談があるパターン
CASE
永住申請人が配偶者である日本人の扶養の範囲内で働いている場合

日本人の年収のみで審査されます。

例えば、配偶者である日本人の年収が280万円、申請外国人の年収が100万円の場合、合算すると380万円となりますが、世帯年収にパート収入を含むことはできませんので、日本人側の年収280万円のみで審査されます。

CASE
永住申請人が専業主婦(専業主夫)の場合

日本人の年収のみで審査されます。日本人の年収が扶養人数に応じた生計要件の目安額をクリアしている必要があります。

例えば、子供がいない夫婦二人のみの世帯であれば、配偶者である日本人の年収は380万円ほどあれば生計要件はクリアしていると言えます。また、お子さんが1人いれば、日本人は永住申請外国人とお子さんの2人を扶養していることになりますので、年収が460万円以上あれば目安額はクリアとなります。

CASE
永住申請人が配偶者である日本人の扶養を受けないで働いている場合

扶養を受けないで共働きしている場合には、日本人配偶者の年収と申請外国人の年収を合算した額(世帯年収)で目安となる年収額に達していれば問題ありません。

例えば、子どもがいない夫婦共働きの2人世帯の場合、配偶者である日本人の年収が260万円でも、扶養を受けずに働いている申請外国人の年収が140万円ほどあれば、世帯年収400万円として審査してもらえます。(ただし、安全圏として申請人または配偶者のうちどちらか片方は年収300万円を超えていた方が無難ではあります。)

国益要件(現在持っている在留資格の在留期間が3年以上であること)

要件には「現に有している在留資格について,出入国管理及び難民認定法施行規則別表第2に規定されている最長の在留期間をもって在留していること」とありますが、当面の間は現在所持している在留カードの在留期間が3年以上であれば要件を満たしているとみなされます。

国益要件(罰金刑や懲役刑などを受けていないこと)

配偶者から永住申請する場合には「素行善良要件」が免除されていますが、国益要件としても同様の要件があります。来日から現在までの間に、罰金や懲役刑を受けていると永住申請はかなり不利に働きます。また、スピード違反、飲酒運転、無免許運転など罰金刑以上となり得る交通違反も含まれますので、十分に気を付けましょう。また、配偶者ビザからの永住申請の場合には、配偶者である日本人側の違反歴や犯罪歴なども審査されますので、注意が必要です。

国益要件(公的義務を適正に履行していること)

「公的義務」とは次の項目のことを指します。

  • 住民税・国税等の納税義務
  • 公的年金・公的医療保険の保険料の納付義務
  • 入管法上の届出義務

上記住民税等の税金の納税と、年金と健康保険料の納付に関しては、すべて期限内に、支払っている必要があります。
サラリーマンなど社会保険に加入し、給料から税金等がすべて天引きされている方は問題ないですが、
コンビニ払いをしている方や転職・求職などで国民健康保険に切り替えたことがある方は支払漏れが不許可につながりますので、注意しましょう。

また、同世帯の家族が滞納している場合も、永住申請は高い確率で不許可となります。

在留資格住民税の課税・納税証明年金・健康保険
原則5年2年
日本人の配偶者3年2年
日本人の実子1年1年
日本人の特別養子1年1年
日本人の普通養子5年2年
永住申請の提出書類として納税・納付を証する期間

「日本人の配偶者等」の場合、証明資料として提出するのは税金等が直近3年分、年金等は直近2年分ですが、それ以前に滞納がある場合でも不許可リスクは残ると考えた方がよいでしょう。また、配偶者である日本人が申請外国人を扶養している場合には、日本人の納税・納付状況で審査されます

現時点で滞納がある方で永住申請を検討している方は、遡って払える分は全て払い、年金を納期通り支払い始めてから最低2年間は公的義務を適正に履行した上で永住申請を行いましょう。

入管法上の届出義務については、例えば、以下のようなものです。

  1. 住居変更の届出(引越しをした場合など各市区町村への手続き)
  2. 所属機関等に関する届出(転職や事業所変更など、活動場所や契約機関に関する情報が変更になった場合)
  3. 前配偶者と離婚した時の届出
  4. 前配偶者と死別した時の届出

国益要件(公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと)

具体的には、感染症予防法で定める一類感染症(エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱など)、二類感染症(ポリオ、結核など)、指定感染症、新感染症にかかっている患者の方や、麻薬、大麻、あへん、覚醒剤などの薬物中毒者でないことなどが求められています。

その他、異臭・騒音騒ぎを繰り返し行い地域住民から苦情がある場合や、ゴミ屋敷状態で役所の対応が必要になるなども、自治体や住民にとって有益とは言えないので、この国益要件にネガティブな影響があります。こちらも、配偶者ビザからの永住申請の場合には、配偶者である日本人側も審査されますので注意しましょう。

身元保証人

身元保証人は、日本人もしくは永住者特別永住者の方であればなることができますので、通常の就労ビザの場合などには勤務先の上司や同僚、親族や友人、学生時代の恩師などに身元保証人をお願いするのがよくある例です。

ただし、「日本人の配偶者」として永住申請を行う場合には配偶者である日本人の夫/妻が身元保証人となります。

配偶者が無職の場合は誰を身元保証人にすれば良いですか?

配偶者ビザからの永住申請の場合には、無職でも配偶者を一次的な身元保証人とします。さらに追加で資力や公的義務の要件を満たす人物に身元保証人をお願いすることをおすすめします。

身元保証人となる配偶者が無職の場合でも永住許可はでますか?

身元保証人が無職であることは、永住審査に少なからず影響すると考えましょう。配偶者ビザから永住申請を行う際には、配偶者を身元保証人としますので、配偶者である日本人の年収や納税納付状況についても審査の対象となります。そのため、永住申請時点で身元保証人である配偶者が無職の場合にはせめてもの補完材料として年収要件をカバーできるだけの説明や資料が必須です。

永住審査は総合判断となりますので合理的な理由があればそれだけで不許可となるわけではないですが、十分に検討した上で永住許可の状況が整うまで待つべきなのか、どうしても今永住申請をしたいのか、慎重に判断する必要があります。不安な場合にはぜひ一度ご相談ください。

原則として、身分保証人には次の2つの条件が求められます。

  • 安定的な収入があること
  • 納税義務を果たしていること

身元保証人は法的な責任は問われませんが、必要に応じて経済的な保証と法令順守の指導を約束することになりますので、安定的な収入があることが求められます。年収について目安となる明確な金額は設定されていないので、身元保証人の収入が低くても生活できていれば問題ないという意見もありますが、無職だったり、あまりにも年収が低い場合には、身元保証人としてふさわしくないという判断をされ、永住審査に影響があると考えられます。

そのため弊所では、身元保証人についても年収300万円をひとつの目安としています。また、身元保証人としては収入額よりも定期的な収入があることの方が重要となります。

身元保証人についてさらに重要な点は、身元保証人が納税義務を果たしていることです。年金や国民健康保険料については永住申請者ほど厳しくみられないというのが今日までの見方ですが、「住民税」の滞納は身元保証人についても審査に不利に働くことが分かっていますので、少なくとも納税状況については十分に確認する必要があります。

配偶者ビザ⇒永住ビザの注意点

注意点1:婚姻生活の実態

ここまでお話してきたとおり、配偶者ビザからの永住申請は居住要件が10年⇒1年と大幅に短縮される特例のため、いままで偽装結婚などで悪用も相次ぎました。そのため現在の配偶者ビザから永住ビザの申請については慎重で厳格な審査が行われ、特に「実態を伴った婚姻」が強く求められています。

つまり、社会的(法的)に婚姻状態であることに加えて、日常的な実態として婚姻状態があることの両面から審査されますので、どちらかが欠けていると判断された場合には、不許可となってしまいます。

内縁の妻・夫については法的に婚姻状態であることを満たしていませんし、別居している場合には実態としての婚姻状態がないのではないかと審査官に疑われてしまいます。

やむを得ず単身赴任している場合などは合理的な説明と審査官に納得してもらうための疎明資料の提出が必要です。

実態調査としては、近所への聞き取り調査や配偶者である日本人の職場や親族への調査など、さまざまな面から慎重な審査が行われますので、虚偽の申請は絶対にやめましょう。そして、虚偽でない婚姻生活を送っているのに虚偽だと疑われるのは悔しいですし、それで不許可となるのはもったいないことですので、十分な婚姻生活の実態があることを提出資料と理由書でしっかりと審査官に伝えましょう!

注意点2:日本からの出国日数

日本人の配偶者の場合、居住要件が緩和され、実態のある結婚生活が3年以上継続していれば、引き続き1年以上日本に在留していることで、永住申請ができます。

「引き続き」とあるように、日本に継続して在留していると認められることが必要です。たとえば、海外旅行などで数日程度日本を離れるのは問題ありませんが、長期の出張があったり、本国へ出産のために帰省した場合などには、居住歴がリセットされてしまう可能性があります。以下に該当すると、引き続き日本に在留しているとは認められずに、居住年数がリセットされてしまう可能性があります。

  • 再入国許可の期限を過ぎて海外に滞在してしまったことがある
  • 更新申請で不許可となり、出国準備(30日)となってしまった
  • いままでに1回の出国で90日以上日本を離れた
  • 年間出国日数が合計で100日以上となった

ただし、永住申請は帰化申請より厳格ではなく、リセットでもまた再び居住要件を1から満たさないといけないというわけではありません。1年での出国が120日程度であれば、理由次第でリカバリー可能な場合もあります。また、コロナウイルス感染症などの事情で日本に帰って来られなかった場合など、一概にその期間がリセットされるとは言えませんので、申請の際には、審査官への説明を理由書等で明確に伝えるようにしましょう。

注意点3:扶養者の人数

よく問題となるのが、扶養関係です。扶養人数は適正に保つ必要があります。「日本人の配偶者等」のビザから永住申請を検討している場合、専業主婦(主夫)や扶養内で働いているケースが多いと思いますが、その場合、配偶者である日本人の扶養関係も永住許可に大きく影響します。

事例として多いのが、日本人側が永住申請者の母国の親族まで扶養に入れているケースです。適切でない扶養関係や扶養人数が多すぎる場合には過度な税金対策を入管審査官に疑われ、説明を求められたり、不適切としてそのまま不許可となることが少なくありません。過度な税金対策は地方自治体の財政を圧迫することになりますので、国益要件を満たしていないと判断され、永住審査が不利になる可能性があるのです。

永住申請前に扶養について考えなければいけないことは「本当に必要な扶養なのか?」ということです。また、「どのように扶養しているのか?」ということも客観的に証明する必要があります。

本来扶養に入れるべきではない人を扶養に入れている場合は、まず対象の人を扶養から外し、遡って修正申告をし、正しい税金を納め直す必要があります。本当に必要な扶養であれば、定期的な送金を行い、客観的な証明方法のひとつとして送金記録を残しておきましょう。扶養人数は永住申請の際にとても重要なポイントとなるため、永住申請前に見直しを行くことをおすすめします。

注意点4:住民税の納税や年金等の納付

住民税等の納税や年金等の納付についても、外国人が扶養に入っている場合には、日本人側の納税・納付状況が詳しく審査されます。ここで未払い・滞納・支払遅れがあると不許可となるリスクが上がりますので、納税納付状況には日ごろから注意が必要です。扶養に入っていない場合は申請外国人側も納税・納付義務がありますし、日本人が会社員ではなく経営者である場合などには、申請外国人がご自身で年金を納めてきたという実績が必要となります。

納税・納付関係での不許可は非常に多いので、今一度、下記項目をご自身でチェックしてみてください。

納税・納付でチェックが必要な項目
  • 国民年金は納期限を守って納付していますか?
  • 国民健康保険料は納期限を守って納付していますか?
  • 住民税などの税金は納期限を守って納付していますか?
  • ご家族分をまとめて払っている場合、支払遅れや滞納はないですか?
  • 他に同居人がいれば、その方の税金等の支払状況はどうですか?
  • 生活保護を受けている人はいませんか?
  • 年金や税金の減額や免除申請をしていませんか?
  • サラリーマンですか?パートですか?会社経営者ですか?
  • 扶養関係の場合、扶養範囲を守って働いていますか?
  • 企業勤めの場合は、社会保険料や住民税などは給料から天引きされていますか?
  • 天引きされていない場合、国保、年金、住民税などの支払漏れはないですか?
  • 保険料の支払は、コンビニ払いですか?銀行引き落としですか?
  • コンビニ払いの場合には支払った際の領収書は保管してありますか?
  • 銀行引き落としの場合には通帳記帳を定期的に行っていますか?
  • 経営者である場合は、法人として社会保険に加入していますか?
  • 法人関係の税金にも払い漏れはないですか?
  • ダブルワークをしている場合、確定申告していますか?
  • その他、不動産や株配当収入などがあれば、確定申告を適切にしていますか?
  • その他、国や地方自治体が課す税金等に支払漏れはないですか?

配偶者ビザ⇒永住ビザの必要書類

最後に、配偶者ビザから永住申請する際の、受付に必要な最低限の書類を見てみましょう。
各項目をクリックすると、必要書類の詳細や申請に関する注意事項もご覧いただけます。

まとめ

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