永住者の在留カード、どこでいつ更新したらいいの?
永住者の在留カード、どこでいつ更新したらいいの?
在留カードについて
在留カードとは、入管法上の在留資格をもって日本に中長期間在留する外国人に交付する身分証明書です。そのため、観光目的などで短期間日本に滞在する外国人の方は在留管理制度の対象外となり、在留カードも交付されません。具体的には、次のどれにも当てはまらない外国人のことを指します。
- 3月(90日)以下の在留期間が決定された人
- 短期滞在の在留資格が決定された人
- 外交又は公用の在留資格が決定された人
- 上記外国人に準ずるものとして法務省令で定める人
- 特別永住者
- 在留資格を有しない人
在留カードには有効期間(満了日)が記載されており、在留カードをもつ外国人はこの満了日(在留期限)まで日本に滞在し、在留資格によって認められた範囲で日本での活動をすることができます。
在留期限が切れても日本に滞在している場合はオーバーステイ(不法滞在)となり、犯罪に当たりますので注意が必要です。また、企業側もオーバーステイの外国人を働かせてしまうと不法就労助長罪に問われます。
外国人は、在留期限が切れて日本での活動ができなくなる前に在留期間の更新を行う必要があり、また従事する活動や業務が変わった場合には在留資格を変更しなければいけません。
在留カードには、以下の事項が記載されています。
- 在留カード番号
- 外国人の氏名
- 生年月日
- 性別
- 国籍・地域
- 顔写真(16歳以上の場合)
- 住居地
- 在留資格
- 就労制限の有無
- 在留期間(満了日)
- 許可の種類
- 許可年月日
- 交付年月日
- 在留カードの有効期限
- 住居地記載欄(引っ越した場合など)
- 資格外活動許可欄
- 在留期間更新等許可申請欄
在留カードの偽造について
近年では、非常に精度の高い偽造在留カードが出回っています。偽造在留カードはニュースでもよく取り上げられていますが、目視での偽造確認は非常に困難で、実在する在留カード等の番号を悪用した偽造在留カードも多く存在するため、出入国在留管理庁公式の在留カード等番号失効情報照会でも偽造カードを見破ることができず、「問い合わせ結果:失効していません」と表示されることがあります。そのため、企業の方には、ICチップ読み取り型の専用アプリケーションでの偽造確認をお勧めしています。
永住者(もしくは高度専門職2号)の資格を得た方は、在留期間が「無期限」となるため、今後日本にずっと住むことができるようになります。
永住者と高度専門職2号以外の在留資格では、最長でも5年の在留期間が定められいるため、在留期限前に在留期間更新許可申請をして許可をもらう必要があります。日本を活動の拠点としている外国人にとって、在留期限のたびに書類収集や作成など、申請の準備をしなければならず、ストレスに感じることも多いと思います。この点永住権を取ってしまえば、在留期間の更新申請のストレスや不安から解放されることになるので、外国人の方にとって大きなメリットと言えます。
ただし、永住者となった後も、在留カード自体の有効期限はあります。
永住者の方も、有効な在留カードを所持・更新し続ける必要がありますので、在留カードの更新を行うことになりますが、永住者の在留カード更新は通常の更新申請とは異なり、あくまでも形式的なもので審査がなく、ほとんどの場合は即日発行されます。永住の在留カードは7年の有効期間が定められていますが、在留カードの有効期間を経過してしまっても、永住権そのものが消滅してしまうわけではなく、新しい在留カードを発行してもらうことができます。
在留カードの更新
永住者・高度専門職2号のような在留期間に制限がない在留資格以外で日本に在留している外国人の場合、在留期間が満了すると日本に滞在できなくなり、日本での活動を続けることができなくなりますので、在留カード記載の満了日が来る前に更新申請を行う必要があります。
在留期間満了日の3か月前から更新申請は行うことができますが、入院や長期の出張などの特別な事情がある場合には、入管への相談をすれば、3か月以上前からでも申請を受け付けてくれることがあります。
在留カードを更新する際は、通常2週間~1か月の審査が行われ、現在までの在留中の素行や生活状況、活動に違反がないかなどを審査されます。出入国在留管理局が公表している申請受理~審査結果がでるまでの処理期間実績値は次の通りです。
令和3年審査分 | 更新申請 |
---|---|
教授 | 26.7 |
芸術 | 34.5 |
宗教 | 30.1 |
報道 | 33.8 |
高度専門職1号イ | 26.0 |
高度専門職1号ロ | 38.9 |
高度専門職1号ハ | 38.0 |
高度専門職2号 | – |
経営・管理 | 32.9 |
法律・会計 | 28.6 |
医療 | 33.4 |
研究 | 25.9 |
教育 | 27.7 |
技術・人文知識・国際業務 | 31.3 |
企業内転勤 | 32.0 |
介護 | 28.5 |
興行 | 30.0 |
技能 | 30.9 |
特定技能1号 | 38.4 |
技能実習1号イ | 27.0 |
技能実習1号ロ | 29.0 |
技能実習2号イ | 24.0 |
技能実習2号ロ | 26.2 |
技能実習3号イ | 27.7 |
技能実習3号ロ | 27.9 |
文化活動 | 24.4 |
短期滞在 | 1.9 |
留学 | 26.5 |
研修 | 16.5 |
家族滞在 | 30.0 |
特定活動 | 23.2 |
日本人の配偶者等 | 27.1 |
永住者の配偶者等 | 26.6 |
定住者 | 28.8 |
「永住者」と「高度専門職2号」は、在留期間に制限がありませんので、期間の更新という概念がありませんが、在留カード自体には7年の有効期限が設けられていますので、永住者等の場合でも、記載されている有効期限の2か月前~期限日までの間に在留カードの更新手続きを行う必要があります。在留カードの有効期間の満了日が16歳の誕生日となっている方は、誕生日の6か月前から更新手続きは可能です。
その他にも、出張や留学で長期間日本を離れる予定があって申請期間内に再入国することができない場合など、やむを得ない事情があるときは、上記の申請期間前であっても申請ができます。
申請は、在留カード有効期間更新申請書という専用の申請書を用いて行います。
在留カードに漢字氏名を併せて表記したい方は、在留カード漢字氏名表記申請書も提出が必要です。手続きは、住居地を管轄する地方出入国在留管理官署へ行い、本人のほか、親族や法定代理人、取次者として依頼を受けた行政書士なども行うことができます。
必要書類は以下の通りです。
- 在留カード有効期間更新申請書
- 写真1葉(16歳以上の方)
- 在留カード漢字氏名表記申出書
- パスポート(提示)
- 在留カード(提示)
新しい在留カードは原則として手続きしたその日に即日交付されますが、後日受け取りとなった場合には、改めて以下の書類を持参する必要があります。
- 申請受付表
- パスポート
- 在留カード
- 身分証
特別永住者の場合
特別永住者は、通常の入管法ではなく、「日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(入管特例法)」に定められた「特別な永住者」として日本に在留している方のことを指します。
特別永住者であることを証明するものとしては、それまでの「外国人登録証明書」が廃止され、2012年7月9日からはそれに代わる「特別永住者証明書」が交付されている経緯があります。
通常の中長期在留資格で滞在の外国人の場合には、常に在留カードを携帯しておく義務がありますが、特別永住者は「特別永住者証明書」を持ち歩く義務はありません。ただし、提示義務はありますので、もしも求められた場合には保管場所まで同行して提示する必要があります。
特別永住者証明書は通常の在留カードとつくりはよく似ていますが、記載事項などが異なります。
記載事項は以下の通りです。
- 特別永住者証明書番号
- 氏名
- 生年月日
- 性別
- 顔写真(16歳以上)
- 国籍・地域
- 住居地
- 証明書の有効期間
一般永住者同様、特別永住者は在留期間が無制限であり「在留期限」はないのですが、特別永住者証明書自体には有効期間があるため、証明書の更新手続が必要となります。
特別永住者の更新手続きは、入管ではなく居住地の市区町村の役所窓口で行うことになります。一般永住者と申請先が異なりますので、注意しましょう。本人の他、親族や法定代理人、依頼を受けた行政書士も手続きが可能なのは、一般永住者と同様です。
下リンクから、特別永住者証明書有効期間更新申請書をダウンロードして、必要事項記入の上、写真1葉とともに提出します。有効なパスポートと更新する特別永住者証明書の提示が必要ですので、持参しましょう。なお、更新に手数料はかかりません。