永住申請が不許可になった場合再申請するべき?

永住申請が不許可になった場合再申請するべき?

今日のおはなし

永住申請の不許可原因ベスト3

永住申請は年々厳しくなっており、不許可率もひと昔前と比べると高くなっています。

直近3年の永住許可率の推移
永住許可率永住許可件数永住処理総数
2019年56.6%32,21356,902
2020年51.7%29,74757,570
2021年57.2%36,69164,149
申請者の2人に1人が不許可

2019年7月から新しくなった永住許可のガイドライン改定により、年収要件が厳しくなったことに加え、税金等の納税・年金等の納付などの審査対象が大幅に拡大したことなどから、それ以前に増して要件を満たすことが難しくなりました。改定された要件を満たせずに永住申請を諦めたケースや書類不備等で受理されなかったケースを考えると要件を満たしていない永住希望者の数はかなりの数になると考えられます。

また、永住許可率の推移をみると不許可は約5割ですので、約2人に1人が不許可となっていることが分かります。この数字には申請人がご自身でおこなった申請(自己申請)の永住許可率と、行政書士などの専門家に依頼された申請人の永住許可率が混ざっていますので、不許可数のうち、大半が自己申請によるものと考えられます。日常的にビザ申請を取り扱っている専門家の方が、書類の作成や収集の面で質の高い準備ができ、また、永住申請前に生計要件や税金の支払は必ずチェックするため、申請人が要件を満たしていない状態で取次申請するといったことは、ほぼないからです。(自己申請の場合は要件を満たせていないにも関わらず、申請してしまい、当然不許可となることも多いです…)

不許可原因として多いものを、順にまとめてみましょう。

不許可原因
理由書の書き方がよくない

永住申請が不許可になる理由の第1位が理由書です。理由書は、本来審査官に申請者の状況や申請までの経緯を伝え、不利になりそうな事実があれば合理的な理由があることを説明することで、必要書類の提出だけでは分かりにくい部分の補足となり、審査官の判断を助けるものです。しかし、書くべきことが書かれていない、書く必要のないことが冗長に書かれている、誤解を生むような表現があったり、そもそも日本語力が不十分といった理由書を提出すると、十分な説明・疎明がなされていないと判断され、直接的・間接的に不許可につながることが多くなります。

自己申請で理由書の失敗が多い理由は、多くの方がネットに掲載されている文面を参考にしながら理由書を書いてしまうからです。理由書は個別具体的な事情に則したものでなければいけません。にも関わらず、ネット上の一般的・抽象的な例文を参考にしてしまうと、申請人にとって必要なことが書かれていない可能性が非常に高く、審査官に説明・疎明が十分でないと思わせてしまい、不許可に傾いてしまいます。審査官もプロなので、文章中の矛盾点を決して見逃しません。ネット上の理由書サンプルを間に合わせで継ぎ接ぎして作った理由書では、審査官に不信感を与え、そのまま不許可になってしまうリスクが大きいので、理由書はしっかりと永住ビザ申請の専門家に相談して作成を依頼するか、最低でも一度プロに添削してもらうべきです。

不許可原因
年収が足りていない、生活が安定してない

永住許可要件の重要な要件のひとつに、独立生計要件というものがあります。永住申請においては、年収が許可・不許可を分ける大きな要因と言っても過言ではありません。具体的には、単身・扶養無しの場合、原則、直近5年間安定して年収300万円以上を維持できていることが独立生計要件をクリアする基準だと言われています。扶養人数が多い場合には、300万円では足りませんが、逆に300万円に満たない場合でも、勤続年数によって安定性が認められたり、将来にわたって安定的な生計を維持することを理由書で立証できれば、総合的判断で永住許可が得られることもあります。やはりこの場合も、不許可原因第1位に挙がっている「理由書の書き方」が重要になってきます。

不許可原因
年金や税金等の未納

永住許可要件の重要な要件のひとつに国益適合要件というものがあり、その中でも特に住民税をはじめとする税金の納税や年金や健康保険の保険料の納付については、非常に厳しく審査されます。年金が義務だとは知らなかったという方が稀にいらっしゃいますが、外国人でも日本人と同様、日本に住所がある20歳以上の方は公的年金に加入して年金を支払うことが義務付けられています。税金や年金等を納めることは公的義務なので、支払っていることは前提として「期限を守って支払いを行っていること」が重要です。特に国民年金や国民健康保険としてコンビニ払いの場合には、支払い漏れが生じやすいので、注意しましょう。

提出書類として自ら証明するのは納税に関してが直近5年分、納付に関しては直近2年分が原則ですが、それ以前の期間の未納・滞納が原因で不許可となることもあります。それだけ厳しい審査がなされますので、支払い義務についてはしっかり守るように気を付けましょう。

直近2年で払っていない年金や納付遅れがある場合は不許可となる可能性は極めて高いです。この場合には、すぐに永住申請をすることはおすすめしません。まず、遡って払える未納分があればすべて支払いをして、今後は年金を納期通り支払い「適正に履行している」実績を改めて十分につくってから再度申請を検討すべきです。また、配偶者ビザや扶養されている方が永住申請を行う場合、配偶者や扶養者の年金等の納付状況も審査対象となります。例えば、ご自身の年金保険料の支払状況に問題がなくても、配偶者の納付状況に問題があれば、不許可となってしまう可能性が高くなります。永住ビザ申請を行う前に、未納・滞納がないことを確かめてから申請を検討しましょう。

不許可になったらやるべきこと

まずは、不許可理由を確認しよう

永住ビザ申請が不許可になった場合でも、再申請することはできます。ただし、やみくもに再び申請しても同じ理由で不許可になっては何の意味もありませんし、それどころか、正しくない申請履歴が積みあがってしまうことで次回申請以降も審査官によくない印象を与えてしまいかねません。不許可になった場合の最重要事項は「不許可の理由を確認し、次に活かすこと」です。

永住申請は簡単ではありませんので、不許可になったからと言って過度に落ち込むことはありません。不許可になったのなら、その理由をしっかり把握して、戦略を立てなおし、再申請すれば良いのです。

不許可理由確認方法

不許可になった場合、入管から不許可通知書が送られてきますが、ここには「出入国管理及び難民認定法第22条第2項第2号に適合すると認められません」と1行程度の記載しかなく、詳細な理由は全く分かりませんし、電話で問い合わせても教えてもらえません。そのため、出入国在留管理局へ出向いて、不許可理由を審査官に直接聞きに行く必要があります。

不許可理由は、永住ビザ申請をした入管で個室に通され、審査官から直接、一度だけ聞くことができます。不許可理由を聞きに行くのは気が引けるかもしれませんが、再申請で許可を得るためには、不許可理由を聞きに行くことは必須です。不許可理由が分からないと再申請につなげることができませんので、永住申請時に提出した書類一式のコピーを持参し、メモを取りながら、具体的に改善点を把握することが重要です。ただし、審査官によっても対応は全く異なりますし、不許可理由が複数ある場合には審査官がすべての不許可理由を教えてくれるとは限りません。

例えば、年収や税金の未払いなど優先すべき重要な要件を満たせていない場合には、そこが不許可の理由だということは教えてもらえると思いますが、理由書内の細かい矛盾点までは指摘してくれない可能性も高く、次回申請時に理由書の矛盾点がきっかけで再度不許可となることも考えられます。

なんとなく理由を聞きに行くと、専門用語が混ざった日本語で不許可理由を伝えられ、正確に聞き取れずに帰ってくる方が少なくありません。また、不正確で断片的なメモや、メモを全く取らずにそのまま再申請まで放置すると、何が不許可原因だったのか忘れてしまい、同じような理由で不許可になることも考えられます。不許可理由を正確に理解することは思っている以上に難しいものです。

「不許可理由を聞きに行くのは不安」「何を聞けばいいか分からない」といった方は、一度、専門家に相談してみてください。専門家であれば、不許可になった申請書・提出書類から不許可理由を診断できるはずです。また、自己申請の場合でも、提出先の地方出入国在留管理局によっては同行できる場合もありますし、同行不可の場合でも、専門家が診断した前情報が頭に入っているだけで、聞き取りの際の理解度は格段に上がるはずです。

つぎに、リカバリー方法の検討しよう

不許可の理由が分かったら、不許可理由をリカバリーできるかどうか検討しましょう。

すぐに不許可理由をリカバリーできる場合

すぐにリカバリーできる状態であれば、不許可から再申請まで一定期間空けなければならないというルールはありませんので、すぐに再申請することもできます。再申請は悪いことではありませんので、すぐに再申請したからといって、入管から不利益に扱われるということはありません。ただし、すべての申請は入管のデータ上に残りますので、伝えられた不許可理由を含めて、考えられるその他の不許可理由を改善できていない段階でやみくもに再申請するのは良くありません。再び長期間の審査を経て、同じ結果になったのでは時間や労力や費用がもったいないだけです。一度不許可となってからでも遅くありませんので、再申請できるかどうかは専門家に冷静な目線で一度見てもらいましょう。

すぐに不許可理由をリカバリーできない場合

不許可理由のなかには、すぐにリカバリーが不可能な場合もあります。典型的な例が、年収が足りていなかったり、住民税や健康保険の支払が期日を過ぎていたことが不許可理由として指摘された場合です。

この場合は、最低でも原則直近5年の年収目安額をクリアしてからの再申請、または、提出書類として証明しなければいけない納税納付履歴の期間(納税に関してが直近5年分、納付に関しては直近2年分)は納期限を守って支払いしてる実績を積んでから再申請を行うことになります。

最短でいつの時点でリカバリーできるかは入管に質問しても教えてくれません。もちろん、ご自身で公的義務を守ることが前提ですが、専門家に相談すれば具体的にどのタイミングで再申請できるか、知ることができるでしょう。


不許可で年金未納を指摘された際のよくある疑問

以前、永住申請して不許可になりました。不許可理由は「年金の支払いをしていなかったから」でした。それから納期限を守って支払うようになり、1年程経過しましたが、今年もう一度永住申請しても大丈夫でしょうか?

1年の支払実績で良いというのは古い情報です。過去滞納分も含め、支払えるものはすべて支払い、その他の永住許可要件もすべて満たしているという前提で、年金を納期通り支払い始めてから最低「2年」は待ちましょう。ただし、これは提出書類として納付を証明するのが直近2年分だからであり、永住許可は総合的に判断されるため、2年経ったからといって完全に不許可リスクが払拭されるわけではないことは十分に理解しておきましょう。

年金未納を指摘されて不許可になりましたが、直近2年以内の未納のため、いまから遡ってすべて支払います。年金事務所で支払済みの被保険者記録照会票を発行することで遅れて支払ったという情報は残らないと聞きました。この書類を提出すれば、すぐに再申請できますか?

すぐに再申請しても不許可になる可能性が極めて高いです。まず、申請した情報は入管に保管されていますので、遅れて支払ったという事実は入管側は把握しています。また、ねんきんネットの印刷ではなく、年金事務所発行の「被保険者記録照会回答票」で証明する場合には、「被保険者記録照会(納付Ⅰ)」と「被保険者記録照会(納付Ⅱ)」の提出も必要です。納付Ⅰ・納付Ⅱには、支払い遅れが記録として記載されます。遡って払える分は支払うべきですが、今後年金に関しては最低でも2年間遅れなく支払い、実績を積み上げてから改めて永住申請を検討しましょう。

永住不許可にならないためのチェック項目!

永住審査では、以下の3つの永住許可要件を満たしているかどうかという基準で審査されます。

  • 法律順守などを求められる素行善良要件
  • 安定した自活能力が求められる独立生計要件
  • 国の利益に適合していることが求められる国益適合要件

一度申請を行った方なら、この永住3要件を満たすことが最重要というのは理解していると思いますが、それでも不許可が多いのは、この要件の意味を正確に把握していなかったり、不許可にならないためにおさえておくチェック項目を知らないからです。

永住申請は要件や提出すべき書類が複雑であり、また、慎重な審査によって様々なことが明るみになり、次回以降の更新申請にも影響を及ぼす可能性があるため基本的には自己申請をおすすめしていません。しかし、それでも自己申請したい!という方のために、専門家が申請人について申請前に二重三重にチェックする確認項目を用意しましたので、自己申請をする際には次のような不許可理由にあてはまっていないか、最低限確認してから永住申請を検討してみましょう。

Check
書類に不備はないか

もっとも多い不許可原因が書類不備です。申請内容と証拠書類に矛盾点や疑わしい部分があると、それだけで不許可になり得ます。また、疑わしいと判断されて慎重な審査が必要とランク付けされると、来日から現在までの申請や過去提出した書類、日本での活動や実態についても調査が入り、永住不許可だけでなく、その後の更新申請まで通らなくなる可能性があります。書類間の整合性が保たれているか、相違点や矛盾点がないか、書くべきことを書き、書くべきでないことを書いていないかなどの判断が、許可と不許可を分けます。

Check
十分な収入はあるか

永住許可の要件のひとつとして「独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること」という独立生計要件があります。
過去から現在、また将来にわたって、自活能力があるかという点を審査されます。

具体的には、

  • 生活保護などを受けていないこと
  • 安定した収入があり、自立した生活が見込まれること

が挙げられます。

生活保護を受けている方は「日常生活において公共の負担になっている」と判断されますので、永住申請するのであれば、生活保護の受給をストップする必要があります。また、国の財政を圧迫しているという考えから、国益要件(国の利益になっていること)も満たしていないと判断されます。これは、年金や税金の減額や免除を受けた場合も同じ考え方で不許可となり得ます。

「安定した収入」とは、明確な基準は公表されていませんが、原則は直近5年間の年収が継続して300万円以上あることが許可・不許可を分けるひとつのラインだと言われています。また貯金額はもちろ多ければプラスの要素にはなりますが、「自立した生活が見込まれること」とある通り、永住の審査においては現在の貯金額よりも収入面が重要視されています。

この300万円というのは扶養関係が一切ない場合(単身等)の最低ラインの目安であり、ご家族などを扶養している場合には1人あたり約80万円~100万円ほど、この「年収300万円」のラインに上乗せして考える必要がありますので注意しましょう。

例えば、配偶者を扶養している場合には申請者の年収が300万円では足りず、最低でも300万円に扶養1人分として80~100万円を年収要件に加えた380~400万円程の年収があれば独立生計要件はクリアしていると考えることができます。さらに子供が1人いて扶養している場合には、配偶者+子供で最低でも160~200万円プラスし、360~500万円の年収が望ましいといえます。

扶養人数に応じた年収額の目安
扶養関係にない場合(例:単身など)

年収額(目安):年収300万円

扶養家族1人の場合(例:申請者+配偶者など)

年収額(目安):年収380万円(300万円+80万円×1人)

扶養家族2人の場合(例:申請者+配偶者+子など)

年収額(目安):年収460万円(300万円+80万円×2人)

扶養家族3人の場合(例:申請者+配偶者+子+子など)

年収額(目安):年収540万円(300万円+80万円×3人)

Check
未納や支払遅れの税金や年金や健康保険料はないか

永住許可の要件のなかに、国益適合要件というのがあり、永住申請者には、公的義務をしっかり守っていることが求められています。守るべき「公的義務」とは具体的に次のことを指します。

  • 住民税・国税等の納税義務
  • 公的年金・公的医療保険の保険料の納付義務
  • 入管法上の届出義務

まず、住民税等の税金の納税と、年金と健康保険料の納付に関しては、すべて期限内に、支払っている必要がありますが、この要件を満たせずに不許可となるケースは非常に多いです。また、配偶者や扶養・同居家族についても、税金関係の納税や年金等の納付については審査対象となりますので、注意が必要です。申請人ご自身ですべて漏れなくチェックするとなると非常に大変な部分ですが、今一度下記項目をご自身でも確認してみてください。

納税・納付でチェックが必要な項目
  • 国民年金は納期限を守って納付していますか?
  • 国民健康保険料は納期限を守って納付していますか?
  • 住民税などの税金は納期限を守って納付していますか?
  • ご家族分をまとめて払っている場合、支払遅れや滞納はないですか?
  • 他に同居人がいれば、その方の税金等の支払状況はどうですか?
  • 生活保護を受けている人はいませんか?
  • 年金や税金の減額や免除申請をしていませんか?
  • サラリーマンですか?パートですか?会社経営者ですか?
  • 扶養関係の場合、扶養範囲を守って働いていますか?
  • 企業勤めの場合は、社会保険料や住民税などは給料から天引きされていますか?
  • 天引きされていない場合、国保、年金、住民税などの支払漏れはないですか?
  • 保険料の支払は、コンビニ払いですか?銀行引き落としですか?
  • コンビニ払いの場合には支払った際の領収書は保管してありますか?
  • 銀行引き落としの場合には通帳記帳を定期的に行っていますか?
  • 経営者である場合は、法人として社会保険に加入していますか?
  • 法人関係の税金にも払い漏れはないですか?
  • ダブルワークをしている場合、確定申告していますか?
  • その他、不動産や株配当収入などがあれば、確定申告を適切にしていますか?
  • その他、国や地方自治体が課す税金等に支払漏れはないですか?
Check
居住期間がリセットになっていないか

永住許可要件のひとつに、居住要件があります。

これは、「原則として、引き続き10年以上本邦に在留していること」が求められるものですが、要件の内容に「引き続き」とあるように、10年の間継続して在留していると認められることが必要です。たとえば、海外旅行などで数日程度日本を離れるのは問題ありませんが、あまりにも出国が多い(長い)場合には、日本の永住権を与える必要性が低いと判断されて、不許可リスクが高まってしまいます。

また、次のような場合には、居住歴がリセットされてしまう恐れがあります。

  • 再入国許可の期限を過ぎて海外に滞在してしまった場合
  • 更新申請で不許可となり、出国準備(30日)となってしまった場合
  • いままでに1回の出国で90日以上日本を離れた場合
  • 年間出国日数が合計で100日以上になる場合

このリセットに気づかず申請すると、日本に10年以上いるはずなのに居住要件を満たさないと判断され、不許可となる場合があります。

ただし、過去の事例から、このリセットに関しては帰化申請よりは厳密・厳格ではないと考えられます。リセットでもまた再び10年間を過ごさないと許可がでないというわけではなく、例えば100日以上の出国が10年間のうち1年のみであれば、11年目の出国を少なく日本で過ごすことで、次の年に永住許可が認められる可能性は大いにあるというのが弊所の見方です。

また、長期海外出張などやむを得ず長期出国するようなケースでは、次の証明ができれば永住許可となる場合もあります

  • 本人の意思によらないものであること
  • 出国理由が合理的なものであること

実際の事例でも、期間の定めのある辞令や出張命令書、出張実績の記録などを証明資料として提出し、許可を得たケースがあります。

また、現在の新型感染症の影響など、やむを得ない事情で日本に帰って来られなかった場合など、上記に当てはまる場合にいままでの居住期間が一概にリセットされるとは言えません。

母国で出産・育児をするために長期で帰国しました。永住審査でこのような事情は考慮されるのでしょうか?

出産・育児のため母国へ帰りたいということは心情的にはよく理解できますが、実際には日本で出産される方も多く、「本人の意思によらないものである」とは言えないため、出産・育児での長期出国は永住審査においてはネガティブに評価されるというのが大方の見方です。

Check
扶養者人数は適切か

扶養人数が多すぎると永住申請は「独立生計要件」と「国益要件面」の2つの側面から不利になります。

「独立生計要件」として審査される年収額ですが、扶養人数が多すぎる場合には、それだけ、収入として得た金額が扶養家族に分配されていることになるので、扶養人数が少ない場合よりも1人あたりに使えるお金が減るということになります。扶養人数ごとの年収には目安がありますが、扶養人数が不必要に多すぎることは独立生計要件で疑義が生まれる原因となり得ます。

「国益要件」としても、扶養人数が多すぎる場合には不利に働きます。母国在住の親・兄弟まで扶養に入れている場合には、「適切でない人まで扶養に入れて税金対策しているのではないか」と入管審査官に疑われる可能性が高くなります。適切でない過度な税金対策は、地方自治体の財政を圧迫することになりますので、国益要件(公的義務を適正に履行)を満たしていないと判断され、永住審査が不利になる可能性があります。

このように、適正な扶養、扶養人数というのは、永住の2つの要件にまたがって影響を及ぼすため、とても重要です。
永住申請前に扶養について考えなければいけないことは、「本当に必要な扶養なのか?」ということです。また、「どのように扶養しているのか?」ということも客観的に証明できるものである必要があります。

本来扶養に入れるべきではない人を扶養に入れている場合は、まず対象の人を扶養から外し、遡って修正申告をし、正しい税金を納め直す必要があります。本当に必要な扶養であれば、定期的な送金を行い、客観的な証明方法のひとつとして、送金記録を残しておきましょう。送金の目安としては、在外(または別居)の扶養家族1人につき、年間38万円以上の送金を行っている必要があります。証明の方法としては、送金記録を親族関係を示す書類と併せて提出しましょう。

扶養人数は永住申請の際にとても重要なポイントとなるため、永住申請前に見直しを行くことをおすすめします。

Check
審査官への説明や疎明は十分か

必要な説明や疎明が足りずに不許可となるケースも非常に多いです。これは、多くは理由書に何を書いていいか分からないことが原因です。理由書、説明書、反省文、申請書、各種契約書などの作成については、重要なポイントを押さえて審査官に必要十分な情報を伝える必要があります。要件を満たしているにも関わらず、準備不足のために不許可になるのはもったいないことです。後日、自己申請で不許可となった後で専門家が申請した書類を確認すると、不許可リスクを減らし、許可可能性を十分に高められれば、許可となったであろう事案はとても多いのです。

再申請で許可を取る方法

ここまで色々な不許可理由とリカバリー方法や再申請について見てきましたが、一度不許可になっても決して諦める必要はありません。不許可理由をしっかり把握し、リカバリーして許可要件を満たせば、再申請で許可を得られる可能性は十分にあります。最後に、再申請の際に重要なポイントをお伝えします。

  • 不許可となった理由を改善すること
  • 不許可理由を改善したことを証明すること

当たり前といえば当たり前ですが、まずは不許可理由となった事実を直ぐに、または時間をかけて、再申請で許可がもらえる状態までもっていくということです。税金等の未払いが原因なら支払った上で実績を積む、証明資料が足りないのであれば、それを十分に証明できるだけの資料を整える。

そして、不許可理由となった事実が再申請時点で改善していることを審査官に伝えることです。これは、証明資料を付けて実績を示し、改善を証明することに加えて、理由書でも積極的に改善していることをアピールするべきです。再申請でまた新たな理由で不許可となってしまった場合には、再度、不許可理由を確認するところからやり直すことになりますが、せっかく「日本が好き、日本に住みたい、住み続けたい」と思ってくれたのですから、私たちもその思いを全力でサポートします。

最後まで諦めずに、永住権を勝ち取りましょう。

今日のおはなし