外国人が永住権をとるために推薦状は必要?

外国人が永住権をとるために推薦状は必要?

今日のおはなし

永住申請は難しい!まずは不許可率の高さを認識しよう!

日本が好き、平和で安全な国と言われる日本で生涯暮らしたいと思って来日する外国人にとって、最終的なゴールは永住権を取ることという方は多いと思います。

永住権は国籍を変えずに日本に無期限に住むことができる、魅力的な在留資格です。永住審査をする出入国在留管理局、審査官及び法務大臣にとっては、その申請外国人が永住するにふさわしいかを判断する最後の機会となりますので、永住審査は非常に慎重に、厳格に行われます。

申請人は、少しでも許可の可能性が高まるよう事前準備を怠りなく行い、不許可のリスクを下げてから申請に臨むべきです。許可の履歴も不許可の履歴も、これから先ずっと残るため、正しい履歴を積み上げないと後々の申請にまで影響してしまうからです。


それでは、許可の可能性を上げるために、どのようなことをすればよいのでしょうか?

永住許可の要件は公表されているので、まず、申請人本人が、事実として、要件をすべて満たしている必要があります。許可要件を満たしていないと、まず永住申請は許可されません。

よく、年収が足りていないまま申請して不許可になったり、税金や年金の未納があるまま申請して不許可になった後、相談に来られる方がいますが、専門家の目から見れば不許可なのは明らかなケースが非常に多いです。

不許可リスクが高いまま申請し、何か月も審査され、長期間不安に悩まされた後、結果不許可となるのは労力や時間がもったいないことです。お金はかかりますが、永住申請をするのであれば専門家に一度相談するのは、必須の時代といっていいでしょう。

統計をみると、永住申請の不許可率は非常に高いため、永住権を取るのは簡単でないことがわかります。

直近3年の永住許可率の推移
永住許可率永住許可件数永住処理総数
2019年56.6%32,21356,902
2020年51.7%29,74757,570
2021年57.2%36,69164,149
申請者の約5割が不許可になっています!

しかし、この許可率は自己申請と専門家の申請が混ざっているため、自己申請の際の不許可は表面上の数字よりもっと多く、ビザ申請の専門家による許可のひとり勝ち状態といえます。なぜなら、自己申請の場合、永住申請をすることは一生に何回もあることではありませんが、専門家は年に何十~何百件、場合によっては、何百~何千件もの永住事例に携わっているからです。どういったケースが許可になるのか、要件を満たしているか、必要書類・提出書類・補足書類は証明・疎明材料として十分か、不許可リスクがあれば、どうすればカバーできるのか、などなど、専門家であれば、答えることができます。

ぜひ、永住申請する前に、専門家に頼んで診断を行ったり、相談してみましょう。自分で申請するよりも、きっと許可の可能性を高めてくれるはずです。

許可率を上げるためにやるべきこと

前置きが長くなってしまいましたが、許可の可能性を上げるための最優先事項は、「永住許可要件を漏らさずに満たしてから申請する」ということです。そして、許可の要件を事実として満たしているのであれば、あとは、証明書類・疎明書類を収集・作成することが必要です。

法務省や出入国在留管理庁のホームページの案内は、あくまで一般的な例として広く公開されているものですので、抽象的であり、個別の事情に応じた案内にはなっていません。そのため、個別具体的な案内というのは、ビザ申請の専門家しか答えられないのです。

入管ホームページ上の永住許可要件もとても具体的な案内とはいえませんが、それ以上に必要書類案内は受付に最低限必要な案内のみになっているため、すべての要件や不許可リスクをカバーできているとは言えません。

必要に応じて補足資料を付け加えるべきなのですが、これも専門家でないと、書類の過不足が判断しづらい部分だと思います。また、理由書も書式自由となっていますが、「書くべきこと」を書かないと何の意味もないどころか、審査官の心証を悪くしてしまう恐れさえあります。

今日は、提出資料のなかで話題になっている「推薦状」の要否に焦点を絞って、詳しくお話していきます。

外国人が永住権をとるために推薦状は必要?

出入国在留管理局(入管)が公表している一般的な永住申請者向けの必要書類リストのなかには、「我が国への貢献に係る資料」として、「所属会社、大学、団体等の代表者等が作成した推薦状」というものが挙げられています。

注釈がついていて、「ある場合で結構です」とかかれていますので、永住申請受け付けのために必要な必須提出書類リストの中にかかれていますが、実際はあくまで任意の提出書類です。

しかし、巷では次のように色々と言われていますが、実際のところはどうなのでしょうか?

  • 推薦状はあった方が許可になりやすい
  • 推薦状はなくても許可になる
  • 推薦状を付けると逆に審査官の心証が悪くなる場合がある

結論から言うと、この3つの意見はどれも「その通り」と言えます。

まずはこれらの解説の前に、優先すべき要件について見ていきましょう。

まずは要件を満たすことが最優先!

推薦状は任意提出書類です。必須となっている提出書類を出さないことはできませんが、任意書類はどれだけ質の良いものを提出しても、要件を満たしていなければ不許可となります。

逆に言えば、提出しなくても要件を満たして他の書類が整っていれば、永住許可は取れるのです。
そのため、推薦状を付けた方が良いかどうかの判断よりも、まずは以下の永住許可のための3要件をすべて満たしているかどうかを確認することが最優先事項です。

①素行善良要件

技術・人文知識・国際業務(技人国)には次の素行善良要件が求められます。

  • 日本や外国の法令に違反して懲役・禁固・罰金などの刑に処せられていないこと
  • 生活する上で迷惑行為などを繰り返し行っていないこと

②独立生計要件

永住許可の要件のひとつとして「独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること」というものがあります。
過去から現在、また将来にわたって、自活能力があるかという点を審査されます。

  • 生活保護などを受けていないこと
  • 安定した収入があり、自立した生活が見込まれること
「安定した収入」の目安額
扶養関係にない場合(例:単身など)

年収額(目安):年収300万円

扶養家族1人の場合(例:申請者+配偶者)

年収額(目安):年収380万円(300万円+80万円×1人)

扶養家族2人の場合(例:申請者+配偶者+子)

年収額(目安):年収460万円(300万円+80万円×2人)

扶養家族3人の場合(例:申請者+配偶者+子+子など)

年収額(目安):年収540万円(300万円+80万円×3人)

③国益適合要件

永住申請者は、「日本国の利益に適合」する必要があり、具体的に次の6つを満たしていることが求められます。

※各項目をクリックすると、詳細がご覧いただけます。

推薦状はあった方が許可になりやすいって本当?

結局、推薦状はあった方が許可になりやすいのでしょうか?

前項で、推薦状は任意提出資料のため、なくても要件を満たしていれば永住許可は取れることを話しましたが、
弊所としては、「必須ではないけれど、上記3要件を補強する目的であれば推薦状を付けた方が良い」という結論になります。

理由書などはあくまで自己申告で要件を満たしている説明を書くことになるので内容の信憑性が疑わがちですが、そこに第三者の目線の推薦状が加わることによって、申請者が要件を満たしていることが客観的な意見として加わり、「要件を満たしていること」や「申請内容」の信憑性がより補強される効果が期待できます。そのため、もし提出できるのであれば、推薦状は提出した方が良いと言えるでしょう。

ただし、「推薦状を付けると逆に審査官の心証が悪くなる場合がある」という意見もあるように、推薦状には注意点もあります。これは、ネット上のテンプレートを使って作成する場合です。理由書も同様なのですが、誰でも使用できるような画一化されたテンプレートを使って推薦状をつくると、審査官の心証を悪くしてしまう可能性があるためです。

推薦状の内容だけで不許可になることはまずないと思われますが、思いもしない悪い印象を与えてしまうことは、より慎重で厳しい審査を行わせてしまうことになり、違う部分で綻びが発覚したり、審査期間が長くなったりと、永住申請者にとってはマイナスでしかありません。

個人ひとりひとり事情や状況、会社や所属団体は違うはずなのに、同じテンプレートを使っていると審査官に怪しいと疑われてしまいますので、ネット上のテンプレートを使うことはせずに、専門家に相談するなどして、申請者の事情に応じた適切な書類作成をしましょう。

まとめ

永住を許可するかどうかは、法務大臣に裁量権があります。審査官も人間ですので、推薦状のような任意書類の提出は書類の内容次第でプラスにもマイナスにも働きます

注意点をしっかり理解し、効果的に任意書類を活用することで永住許可の可能性を高めましょう。

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