永住者の再入国許可に必要な書類と有効期限は?
永住者の再入国許可に必要な書類と有効期限は?
再入国許可ってなに??
再入国許可の制度は、日本に在留している外国人が一時的に日本を離れてまた日本に帰ってくる予定がある場合に、出入国在留管理局(入管)にいつ日本を出国して、いつ日本に帰ってくる予定なのかを予め伝えて許可を得ることで、入国の際の手続きを簡略化することができる制度です。入管法では、第26条に規定されています。
もし、外国人が「再入国許可」や後述する「みなし再入国許可」を受けずに出国した場合には、保有している在留資格や在留期間を放棄したことになり、在留資格は消滅してしまいます。そうなると、再び日本に入国しようとする場合には、改めて査証申請の手続きを行わなければなりません。新たに査証を取得した上で、上陸申請を行い上陸審査手続を経て上陸許可を受けることとなりますので、非常に時間がかかります。
特に「永住者」の在留資格は取得まで様々な要件をクリアする必要があり、新規入国で付与される在留資格ではありませんので、消滅してしまうとその後の日本での活動に関わる大変な事態となります。
一方、再入国許可・みなし再入国許可を受けた外国人は、通常必要とされる査証が免除されます。また、再入国許可を受けて再入国した後は、以前の在留資格・在留期間が継続しているとみなされ、出国前と同じように日本での活動ができます。
日本に戻ってくる予定がある方は、必ず再入国許可・みなし再入許可どちらかの手続きをするようにしましょう。
再入国許可の種類
再入国許可の種類には、「1回限り有効なもの」と「数次有効なもの」の2種類があります。
「数次有効なもの」は期間内であれば何回も使用できますが、法務大臣が申請の内容を加味して、相当と認められた場合に限って取得できます。「1回限り有効な再入国許可」はシングルと呼ばれ、「数次有効な再入国許可」はマルチと呼ばれています。
- シングル:許可された期間内に1回限り、出国前と同じ在留資格で日本に再入国できる
- マルチ:許可された期間内に何度でも出国前と同じ在留資格で日本に再入国できる
再入国許可の有効期間
2012年より再入国許可の有効期間が見直され、通常の中長期在留資格の場合、再入国許可の最長が4年⇒5年となりました。ただし、在留資格ごとの期間満了日がそれより早く来てしまう場合には、在留期間満了日までに日本に戻る必要があります。永住者は在留期間に制限がありませんが、あくまで外国籍のため、永住者の場合でも再入国の有効期限の最長は「5年」です。
ちなみに、特別永住者の方は一般永住者より1年長く、「最長6年」再入国許可を得ることができます。
病気など特別な事情がある場合には、さらに1年を超えない範囲での延長が認められる場合があります。出国先の日本大使館で延長の申請が行えますが、現在許可を受けている再入国許可の有効期間内に行う必要があり、有効期間をすでに過ぎている場合には原則延長は認められません。
再入国許可の手数料
再入国許可申請を行い、許可されるときには以下の料金を収入印紙にて支払います。
- シングル(1回限り有効):3,000円
- マルチ(数次有効):6,000円
手数料納付書はこちらで取得できます。4番(再入国の許可)にマルをしましょう。
みなし再入国許可とは
みなし再入国許可とは、2012年7月に新しく創設された制度です。在留資格と有効なパスポートがあれば、出国時に簡単な手続きを行うだけで、日本を出国した日から1年以内に再入国すれば、前項でお話した「再入国許可」の取得手続きをしなくても、再入国ができ、再び出国前と同じ活動を日本で行うことができます。
この制度は主に中長期的に日本で在留する方の利便性向上を目的とした制度ですので、以下の方は中長期的在留者とは言えず、みなし再入国許可制度の対象外となります。
- 「3月」以下の在留期間の方
- 「短期滞在」の在留資格をもって在留する方
みなし再入国許可の有効期間は、出国の日から1年間となりますが、在留資格ごとの期間満了日がそれより早く来てしまう場合には、在留期間満了日までに日本に戻って更新等の手続きを行う必要があります。また、日本を1年以上離れる予定の方は、みなし再入国ではなく、通常の「再入国許可」を得てから、出国する必要があります。永住権を持つ外国人の場合でも、みなし再入国は最長1年です。この期限を超えてしまうと「永住者」の在留資格も消滅してしまいますので十分に注意が必要です。
また、再入国許可と異なり、みなし再入国許可で出国した場合には有効期間を延長することはできません。
また、以下の方はみなし再入国許可制度の対象外として規定されているため、再入国を希望する際は、通常の「再入国許可」の手続きを通して許可を得る必要があります。
- 在留資格取消手続中の者
- 出国確認の留保対象者
- 収容令書の発付を受けている者
- 難民認定申請中の「特定活動」の在留資格をもって在留する者
- 日本国の利益又は公安を害する行為を行うおそれがあることその他の出入国の公正な管理のため再入国の許可を要すると認めるに足りる相当の理由があるとして法務大臣が認定する者
みなし再入国許可の手数料
みなし再入国許可制度は無料で利用できます。
再入国許可・みなし再入国許可の手続き
手続き方法
現在住んでいる場所を管轄する地方出入国在留管理局に、下記の申請資格をもつ方が必要書類一式を持って手続きを行います。
手続きできる人
- 本人
- 活動機関の職員等
- 申請取次資格を持つ行政書士等(資格者による申請取次が可能です)
- 申請人の法定代理人
- 親族など(申請人本人が16歳未満または疾病で出頭できない場合など)
必要書類
- 再入国許可申請書
- 在留カード(特別永住者のかたは特別永住者証明書)
- パスポート(提示)※
※旅券(パスポート)の有効期限が切れている場合はその理由を説明する理由書が必要となります。無国籍で旅券の取得ができないなども理由書での説明を行います。
審査について
収容令書の発付を受けている方やその他の理由で再入国許可をすることが適当でないとされる方には許可がおりません。問題がなければ、申請した当日中に結果がでます。在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請、在留資格取得許可申請と同時に行う場合には、オンラインでも申請可能です。
手続き方法
日本の空港など出国する場所で手続きを行います。手続きの際には有効なパスポートと在留カードが必要なので、準備しておきましょう。
みなし再入国許可を利用して出国したい場合には、出国時に入国審査官に「みなし再入国許可による出国を希望する旨」の意図を表明する必要があります。
再入国出入国記録(再入国EDカード)を空港などで取得します。現在は、新様式に切り替わっています。ネット上の情報には旧様式の画像が載っているものもありますので注意してください。
再入国出入国記録(再入国EDカード)の記入方法は以下を参考にしてください。「一時的な出国であり、再入国する予定です。」という欄がありますので、ここにチェックをいれてください。
出国審査の際に、入国審査官にパスポートと一緒に提示します。みなし再入国許可による出国を希望する旨を伝えて、手続きは完了です。
手続きできる人
- 本人
必要書類
- 在留カード(特別永住者の方は特別永住者証明書)
- パスポート(提示)