国民年金や国民健康保険料を滞納していても永住申請できるの?
国民年金や国民健康保険料を滞納していても永住申請できるの?
はじめに
永住許可の重要な要件のひとつに、国益要件があります。
今日は、その国益要件のなかの「公的義務を適正に履行していること」について、詳しく見ていきましょう。
国益要件のひとつ「公的義務を適正に履行していること」とは?
それではさっそく「公的義務を適正に履行していること」の言葉の意味をひとつひとつ見ていきましょう。
まず、「公的義務」とは次の項目のことを指します。
- 住民税・国税等の納税義務
- 公的年金・公的医療保険の保険料の納付義務
- 入管法上の届出義務
これらは義務として課されているため、支払いや届け出はすることを前提として、
審査で重要なのは納期限を守って支払いされているかどうかです。
つまり、「適正に履行している」の意味するところとして、
上記税金等をすべて、期限内に、支払っている必要があり、
1日でも期限を過ぎてしまうと、「適正に履行している」とは言えなくなり、永住許可をもらうのが難しくなります。
住民税については、提出が必須となっている課税・納税証明書により原則直近5年分の支払いを証明します。
住所地を管轄する税務署へ納税証明書の発行を申請しましょう。
管轄の税務署はこちらから確認できます
また、例外的に課税・納税証明書によって納付証明をする期間が5年より短い場合があります。
- 原則⇒直近5年分
- 配偶者ビザからの永住申請⇒直近3年分
- 高度人材70点~の永住申請⇒直近3年分
- 高度人材80点~の永住申請⇒直近1年分
国税の納税証明は専用の申請書で請求します。
納税証明書交付請求書の様式はこちら
証明書の種類はその3をチェックします。
永住申請に必要な税目はこちらです。
- 源泉所得税及び復興特別所得税
- 申告所得税及び復興特別所得税
- 消費税及び地方消費税
- 相続税
- 贈与税
納税証明書交付請求書には、「源泉所得税及び復興特別所得税」「相続税」「贈与税」のチェック欄がないため、
証明を受けようとする税目の( 税)という自由記述欄にこれらの税目を記入して請求しましょう。
ちなみに、国税の請求は住民税の請求と違い、「未納がないこと」を証明しますので対象期間の指定は不要です。
補足として、日本の法律に基づいて支払義務のある税金については、提出書類で分かる範囲だけでなく、
すべて、審査に影響する可能性があると考えておいた方が無難です。
例えば、提出書類には含まれない固定資産税の滞納が不許可理由になった事例も公表されています。
公的年金・公的医療保険の保険料の納付義務とは、
- 会社員など:社会保険(厚生年金・健康保険)の保険料
- 個人事業主など:国民年金保険料・国民健康保険料
を期限内に支払うことです。
保険料を払っていることを提出書類として証明する期間は、原則直近2年分です。
- 原則⇒直近2年分
- 高度人材80点~の永住申請⇒直近1年分
サラリーマンなど社会保険に加入し、給料から税金等がすべて天引きされている方は問題ないですが、
コンビニ払いをしている方や転職・求職などで国民健康保険に切り替えたことがある方は一度の支払漏れが不許可につながりますので注意しましょう。
入管法上の届出義務は、例えば、以下のようなものです。
- 住居変更の届出(引越しをした場合など各市区町村への手続き)
- 所属機関等に関する届出(転職や事業所変更など、活動場所や契約機関に関する情報が変更になった場合)
- 配偶者と離婚した時の届出
- 配偶者と死別した時の届出
税金の要件に比べて軽く見られがちですが、
対象となる事由が発生してから14日以内に届け出るのが原則とされていますので、
「提出が遅れ、14日を過ぎてしまった」「そもそも届出をしていない」場合には永住申請に不利に働きます。